アロマティック
「………」

 朝陽の反応はというと、みのりにいちべつをくれただけで、何事もなかったように荷物を置き、上着を脱ぎ始めた。
 信じられない!
 無視された!!

「ほっといてやって」

 朝陽の態度に唖然としたみのり。永遠が苦笑いを浮かべ、フォローに回る。

「朝陽、みのりちゃんだよ、みのりちゃん!」

「うるせー」

 聖の言葉も、うるさいハエをあしらうような扱い。
 それでも朝陽は、自分に与えられた役割は黙々とこなしているようだった。見るからに不機嫌そうに、だけど。
 ストレッチで体をほぐした4人が、曲に合わせて踊り始めた頃、ようやくリーダーの空が現れた。相変わらず眠そうな顔で。

「マジヤバイ。眠すぎる……」

 寝ぼけ眼の顔をした空の登場に、一旦、音を止めてそれぞれ空とハイタッチを交わす。
 最初は眠そうにとろんとしていた空も、ストレッチを始めると目が覚めてきたのか、しゃっきりしてきた。
 リーダーが加わり、5人揃ったEarthが音に合わせて踊り始める。
 みのりは5人が踊る様を、邪魔にならないように大人しく座って見つめた。
 こうやって眺めていると、素人のわたしが見ても動きが揃っていてキレイだ。
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