アロマティック
 これは……すあま?
 甘いものっていうから、勝手にクッキーとかケーキとか洋菓子をイメージしてた。
 意表を突かれてびっくりしたけど、周りに流されないマイペースなリーダーらしいといえばリーダーらしい。
 せっかく頂いたものだ。さっそくいただこう。
 みのりは心のなかで、いただきますと唱え、すあまを頬張った。口のなかに広がる優しい甘さと、もっちりとした食感に、幸せに包まれる。

 はじめは自分自身がアロマの香りに助けられ、誰かの役にたてたらと、アロマテラピーの資格を取った。
 アロマを仕事に出来たらと、考えていたけど。

『アロマっていいな』

 リーダーがどんな思いでいったのかはわからない。
 けれど、自分が作ったものに対して喜んでもらえること、認めてもらえることってこんなに嬉しいものなんだ。
 はじめは自分の為だったアロマが、人のためにもなれることを、みのりは改めて実感していた。
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