恋の味【更新中】

いかにも悪ガキという感じだが、『なっちゃん』なんて性格とは真逆の可愛らしいあだ名で呼ばれている。

それに、なんでだろう。

私は、あのひどく澄んだ黒い瞳に何かを感じることがある。

ごくごく普通の、どこにでもいる小学4年生…のはずなのに、それとはちがう何かを持っている。

そう思った。



白雪は、実際、東京からは転校したくなかった。

友達とは別れなければならないし、何より体のためとは言っても、自分を取り巻く環境が変わってしまうことが怖かったのだ。

確かに少し期待を膨らませている自分もいたが、 やっぱり不安の方がその何倍も強かった。
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