こうべ物語
雨の中。
2人で1つの傘に入りながら、公園から家へと歩いて行く。
「ねぇ、勝利。」
「うん?」
「私の我が儘、1つ聞いて貰ってもいいかな?」
上目使いで問いかける。
「俺に出来る事なら何でもいいぞ。」
「今度…、デートしてくれない、かな?」
「デート??」
「駄目?」
「駄目、じゃないけど…。」
「どうしたの?」
覗き込んでくるさくらからあえて目を逸らそうとする。
「いや、改まってデートとか言われたら、何だか恥ずかしくてな。」
「もう、何よ!勝利って結構、可愛い所あるじゃない。」
「馬鹿にするな!」
勝利の顔は明らかに赤くなっている。