こうべ物語
「お金持ちとか貧乏とか…。そんなの関係あるの?」
「あるよ。」
平然と答えた。
「へっ。」
「お父さんが言う通りだと思った。僕は麻里奈ちゃんの全てを受け止める事が出来ない。結局は即答出来なかった僕が悪いんだ。」
「七海君は何も悪くない!」
涙を流しながら必死に訴える麻里奈の頭を優しく撫でた。
「ありがとう。」
「そんなに優しくされたら…。」
辛い悲しい気持ちが溢れる。
「わ、私は…、魚が好きな、優しい七海君が好き、大好き。」
「ありがとう。」
頭を撫でながら慰めるように優しく呟く。