こうべ物語



(自分より若い子と食事するなんて、勉強になるなぁ。)



嬉しさのあまり、メール画面を開いて素早く作成した。



『七海君、今日、私とても楽しい事があったの。また、話聞いてくれる?今日もバイトお疲れ様。麻里奈。』



満足げな顔を浮かべて送信を終え、携帯を鞄に戻そうとすると突然震えだした。



(七海君、もうメール返してくれたの?)



嬉しくなって、携帯画面を開く。



「ん?」



メールの差出人は執事からだった。



『お嬢様、メールにて失礼致します。ご主人様が大変お怒りになっておりますので、すぐにお戻り下さいませ。』



(どうして?)



『どうやら、お嬢様のボーイフレンドの事がお耳に入ったようです。』



最後まで読み終えないうちに自然と手が震え出し、血の気が引いて行くのが実感出来た。




《さくら×涼子×麻里奈② 終わり》



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