沖田総司と運命の駄犬
私は、居たたまれなくなり、屯所を飛び出した。
門番をしていた隊士さんに止められるも突っ切った。
隊士「おい!梓っ!ヤバい!すぐに、沖田助勤に報告っ!」
私は、走りに走った。
梓「はぁ・・・。はぁ・・・。はぁ・・・。はぁ・・・。」
前も見ず、走ったため、ここが、どこだかわからない。
すると・・・。
「おい!」
振り向くと、全く知らない人・・・。
「コイツ・・・。どこかで・・・。あぁ!壬生狼と一緒にいた奴・・・。沖田の小姓だ。」
「おなごみたいな奴だな。色小姓か?ハハハッ。よくも、オレらの仲間をやってくれたなぁ・・・。ちょっと、来いよ!」
ヤバい。
逃げようとしたが、あっさりと、捕まってしまった。
梓「止めて!」
「どうせ、沖田の夜の相手もしてんだろ?どう見ても、お前、色小姓じゃねぇか。」
梓「違うっ!」
「お前、こういうの好きだよなぁ。おなごみたいなオ・ト・コ。」
「まぁな。」
ズルズルと引きずられて、人気のない場所に、連れて行かれた。
梓「ヤダッ!・・・ふぐっ!」
口に布を詰め込まれて、手を縫い止められた。
袴の紐を解かれて、着物の合わせを広げられた。
梓「う゛・・・。」
「おなご・・・。くくっ。ハハハッ。新選組がおなごを囲ってる。コイツは、沖田の女だったか。」
「おい!やっちまおう。」
気持ち悪い!ヤダ!
梓「ふぐっ!ふぐっ!」
男達が、私に、覆い被さってくる。
ギュッと、目を瞑ったその時・・・。
「また、こんな所で、絡まれて・・・。梓は、本当のバカなの?」
この毒舌は・・・。
梓「ふぐっ!(沖田先輩!)」
私を見た沖田先輩は、はぁ・・・。と溜め息をついた。
沖田「君たちさぁ、そんな洗濯板みたいなのに、よく、そんな気になれるよね。よっぽど飢えてるの?普通に、女、抱きたかったら、島原行きなよ。」
沖田先輩、こんな時にまで、毒舌・・・。
「新選組に囲われてる女なんだ。島原の女よりイイって事だろ?」
沖田「はぁ・・・。まぁ、君達には、関係ないし。でも・・・この光景は、意外と見てて嫌な気分になるね。」
そう言うと、沖田先輩は、刀を抜いた。
沖田「梓、これから起こることに、耐えれないなら目を瞑っておきなね。」
私は、ギュッと、目を瞑った。
「ヤァッ!」
ザシュ!
「う゛。」
私の顔に、血らしきものが、かかった。
しばらくして、何も、音が、無くなった。
ゆっくり目を開けると、いつの間にか、土方さんも来ていて、刀をしまうと私に駆け寄った。
そして、土方さんが、私の着物の前を合わせて、綺麗に整えてくれた。
土方「梓・・・。大丈夫か?」
私が、頷くと、土方さんの胸に抱かれた。
土方「総司・・・。後、頼んだぞ。」
沖田「えぇ!?またぁ?」
土方「当たり前だ。」
沖田「はぁ・・・。はいはい。じゃあ、応援、寄越して貰えますか?」
土方「あぁ。わかった。」
私は、土方さんに連れられて、その場を、離れた。