沖田総司と運命の駄犬


数日が経ち、皆が、帰ってきた。



梓「普段通りに・・・。普通に・・・。普通に・・・。」



「何が“普通に”なの?」



振り向くと、沖田先輩。



梓「ギャッ。」



沖田「何?人を、お化けを見たみたいに。」



梓「お帰りなさい。」




沖田「ただいま。山南さんに、迷惑かけなかった?」




梓「かけてないです!愚痴は、聞いてもらってましたけど!」




沖田「どんな愚痴?」




梓「山南さんと私の秘密です。」




沖田「何それ?僕に、秘密とか、生意気!」




沖田先輩に、頬を、つねられる。




梓「痛い!痛い!止めて!」




沖田先輩は、楽しそうだ。




やっと、離してもらえたが、コレ、絶対、ほっぺ伸びてる気がする。



私は、頬を手で押さえた。



沖田「さ!梓、甘味食べに行こう!」




梓「へ?」




沖田「疲れたし、甘いもの食べたいし。早く行くよ!」




梓「はい!」




私達は、甘味処へ行った。



沖田先輩・・・。団子、もう6皿目・・・。




梓「よく食べますね・・・。」




沖田「当たり前だよ。もう、甘味処も寄らせてもらえなかったんだから!」




梓「お疲れ様です!」




沖田「でも、梓のマヌケな顔を見てると、帰ってきたなって思う。」




梓「マヌケは余計です!そこは、可愛いでしょ!」




沖田「はぁ!?可愛い?どこに、そんな・・・。あぁ!あの犬か!」




沖田先輩は、横切った野良犬を指差した。




梓「違うしっ!しかも、私は、犬じゃないです!」




沖田「はいはい。さ、行こっか。」




そう言うと、沖田先輩は、私の手を握った。




あ・・・。手、繋いでる・・・。




全神経が、左手に集中した。




沖田「どうしたの?顔、赤いけど、大丈夫?」




梓「だ、だ、大丈夫です!」




沖田「ぷっ。なら、良いけど。まぁ、バカは、何とかって言うし、大丈夫か。」




梓「今、サラッと、失礼なこと言いましたよねっ!?」




沖田「そう?さすがの梓でも、それは、知ってたんだ。」




梓「知ってます!」




私達は、手を繋いだまま屯所に戻った。
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