沖田総司と運命の駄犬
点と点が線になる



その夜・・・。




どうしよう・・・



沖田先輩と同室の私は、同じ部屋に入るのを、戸惑っていた。




今、私は、縁側にいる。




この前みたいに、押し倒されたら、どうしたらいい?





まだ、恋人にも、なってないのに・・・って、“まだ”って何よ!“まだ”って!





私は、意を決して、部屋に戻ると、部屋は真っ暗だった。





梓「あれ?沖田先輩は?」





襖を、開けっ放しで、入り口で止まる。





「おい、そんな所に、突っ立って、どうした?」




振り返ると、どこからか帰ってきた、土方さんがいた。




梓「お帰りなさい。沖田先輩が、居なくて・・・。」




土方「皆なら、島原だ。今宵は、俺は、留守番だ。」





また?島原、最近、多くない?




つい、先日、打ち上げで、行ったばかりだった。




私が、膨れてると、土方さんが、私の頬をツンとつついた。




土方「暇なら来い。酒の相手してくれ。」




梓「お酒の相手なんて、出来ません。」




土方「お前が好きそうな、菓子を貰ったからどうだ?」




これ、この間、沖田先輩に、怒られたのと同じパターンだ。




梓「沖田先輩に、夜に、男の人の部屋に行くと、怒られるので、やめておきます。」





すると、土方さんの眉間に皺が寄った。





土方「総司と、恋仲になったのか?」





梓「違います!なってません!でも、沖田先輩の言うこともわかるので・・・。」




土方「まぁな・・・。お前は、だいぶ警戒しないと、すぐ、襲われるからなぁ・・・。じゃあ、縁側にでも行くか?」




縁側は、どうなんだろ?部屋じゃないから、いいのかな。




沖田先輩だって、最近、島原ばっかりだし・・・。



梓「じゃあ、行きます!」





私達は、お酒と、お菓子を持って、縁側へ行く。





よくわからないけど、お酌をした。




横目で、土方さんを見る。





お酒を飲んでいる土方さんは、やはり、絵になる。





何を、やってもカッコいいとは、こういう事だと、改めて思う。





梓「そう言えば、禁門の何とかは、大丈夫だったんですか?」





土方「禁門の何とかって、おめぇ、そりゃ、酷すぎだろ?あぁ、大丈夫だった。俺らの警備は、激戦になったところと違う所だったしな。」





梓「皆が、無事で、良かったです!」





土方「あぁ。お前は、変わったことは無かったのか?」





変わった事って・・・。





沖田先輩との事を、思い出して、真っ赤になる。





土方「ん?顔、赤いぞ?大丈夫か?」





梓「っ!」




土方さんは、私のおでこに手を置いた。





そして、のぞき込むように見つめられる。





私の胸は、ドキドキと高鳴り出す。





だって、めちゃくちゃ色っぽいんだもん。




その手が、頬を包み込んで、親指で、撫でられた。




土方「なぁ、梓・・・。お前って、なぜ、俺に、こうやって、簡単に、触らせるんだ?」




梓「へ?」




土方「期待してしまうけど、良いのか?」




梓「え?どういう意味・・・っ。」




気付いた時には、土方さんの綺麗な顔が、目の前にあり、キスされた。





梓「っ!!!」




ゆっくりと離れた土方さんの顔が、妖艶に微笑んだ。




土方「こういう事だが?」




梓「っ!」




土方「なぁ、梓・・・って、オイ!お前、またっ!」





私の鼻からは、また、真っ赤な血が、垂れだした。




土方「ぷっ。くくくっ。口説いて、鼻血出されたのは、初めてだ。くくくっ。」




私は、鼻に、紙を、詰めて、抗議する。




梓「土方さんが、色っぽいのがいけないんです!イケメンにキスとか・・・っ。興奮しちゃいます!」




土方「本当に、わらしだな。」




土方さんが、私のアタマを撫でる。





あれ?何か、変だ。




何なんだろう。この違和感・・・。





そう言えば、土方さんと話するとき、気を使ってない!





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