沖田総司と運命の駄犬
そして、屯所に帰って来て、部屋に入った。
沖田「そこに座って!」
梓「はい。」
沖田「で?僕は、邪魔者だった?」
梓「え?」
沖田「さっき、伊東さんが、言ってたでしょ?気持ちを交えたって・・・。」
梓「違いますっ!私は・・・。」
沖田「ふーん。で?僕の言うこと聞かないで、襲われた梓。今回の事、どう思うの?」
梓「すみませんでした。沖田先輩は気を付けろって言ってくれてたのに・・・。反省してます。」
すると、沖田先輩は、大きな溜め息をついた。
沖田「もう一度、言う。僕以外に、触れさせるな。おなごの格好もダメ。仲良くなったからって、全部を信用しちゃだめだ。梓は、おなごってだけでなくて、未来から来たっていうのもある。そういうこと、簡単に言っちゃダメだ。わかった?」
梓「はい。」
私が、本当に、反省していることが伝わったのか、沖田先輩は、私の頭を撫でた。
その優しい手付きに目頭が熱くなり、涙がこぼれそうになる。
沖田「泣いてるの?まさか、アイツに・・・。」
私は、ブンブンと首を横に振った。
梓「違っ・・・。沖田先輩、助けてくれて、ありがとうございました。私、沖田先輩の言うこと聞かなかったのに・・・。」
すると、沖田先輩は、私の頭をぐしゃっとボサボサにした。
沖田「そうだよね。いっつも梓に振り回されてる・・・。」
梓「え?どちらかというと私の方が振り回されてる気が・・・。」
沖田「駄犬の癖に生意気・・・。」
そう言うと、沖田先輩は、私の頬をつねる。
梓「痛いです!痛い!」
沖田「ぷっ!変な顔。」
梓「あ!乙女に向かって!」
沖田「乙女?どこ?あれぇ?僕には見えない。目が悪くなったのかな?」
また、からかって!
私は、言い返した。
梓「そうですね!目が悪くなったんですよ!」
沖田「本当に、腹立たしい奴っ!」
ぐしゃぐしゃになった頭をぐいっと引っ張られると、沖田先輩と唇が重なった。
梓「っ!」
何度も啄まれる。
しばらく、沖田先輩と何度もキスを交わした。
梓「プハッ!」
沖田「ぷっ!何それ?色気の欠片もない。」
梓「だって・・・。」
沖田「言っておくけど、僕、伊東さんと接吻したの許してないから。」
そう言うと、沖田先輩は、またキスをしてきた。
梓「っ!」
鼻を摘まれて、唇を塞がれ苦しい・・・。
梓「んーっ!」
し、死ぬ!
唇を開いた瞬間、沖田先輩は、舌を絡ませてきた。
ダメだ。
溶けそうに痺れてる・・・。
体が甘く疼く。
ゆっくり離された沖田先輩は、何とも言えない愛おしそうな目で私を見つめていた。
梓「沖田先輩・・・。」
私も沖田先輩を見つめ返した。
すると、沖田先輩の顔が近付き、唇がゆっくり重なる。
私は、沖田先輩の背中に腕を回してギュッと抱き付いた。
沖田「今宵の梓、ダメだ・・・。この匂い・・・。クラクラする・・・。」
沖田先輩は、私の首筋に唇を這わせる。
私の口からは甘い声が漏れる。
沖田先輩に触れられる手は熱い。
さっき、伊東さんに触れられた時とは明らかに違う。
ずっと、触れていて欲しい。
キスをしながら、着物が脱がされかかったとき・・・。
部屋の外で、声がした。
『梓、居るかな?』
山南さんだ・・・。
沖田先輩は、はぁ・・・。と溜め息を付いて私から離れた。
そして、沖田先輩は、耳元に寄り囁く。
沖田「もう一度、体を洗いに行こう。その後、一緒に山南さんの所へ行くから。」
梓「はい。」
そう言うと、沖田先輩は、私の耳にチュッとわざと音を出したキスをした。
梓「っ!」
耳を押さえ真っ赤になって沖田先輩を見ると、沖田先輩は、悪戯に成功したようにニヤリと笑った。
またからかってる!
沖田先輩が、外に出て、山南さんと話をしている。
山南さんが、部屋に戻ると、沖田先輩が手を差し出した。
私は、その手に自分の手を重ねた。
今日は、殆どの人が、角屋に行っている。
人気のない廊下を手を繋いで、お勝手まで来た。
真っ暗なお勝手の釜に火を付けてくれてお湯を沸かした。
沖田先輩が、私の着物に手をかける。
梓「沖田先輩っ!」
沖田「何?」
梓「恥ずかしいです!自分でやるので・・・。」
沖田「ダメ!」
そう言うと、沖田先輩は、私の着物を、スルスルと脱がしてしまった。
沖田「はぁ・・・。こんなにユルユルに帯を結ってどうするの?もっとしっかり結ばなきゃ!」
梓「すみません・・・。」
着物が脱げると、沖田先輩は、私の体をジッと見ている。
私は、胸元を隠す。
沖田「やっぱり・・・。」
そう言うと、沖田先輩は、私を野菜などを洗う所に座らせて、お湯をかけた。
髪の毛に主に付いた媚薬の粉を取ってくれているらしかった。
だんだん気持ち良くなってきた。
人に、髪の毛触られるの好きだなぁ・・・。
美容院も好きだし。
そう思って目を瞑っていると、いきなり後ろから抱きしめられて、首筋に沖田先輩の唇が当たったかと思うと、痛みが走った。
梓「沖田先輩っ!」
沖田先輩は、私の向きを変えて、押し倒して、何度も私の肌を吸う。
さっき、熱くなった体がせっかく冷めたのに、また、熱くなってしまった。
しばらく私の肌を吸っていた沖田先輩が、私を見下ろした。
沖田「梓・・・。気付いてないの?ここ・・・。」
梓「え?」
沖田先輩触れた指先は、伊東さんに、唇を這わされた所だった。
沖田「痕・・・付けられてる。飼い主としては、気分が悪い。本当に、誰にでも尻尾振って付いていくからこういう事になるんだ・・・ったく。」
そう言うと、沖田先輩は、私の体中に痕を残していった。