沖田総司と運命の駄犬

ぐったりした私を連れて、沖田先輩は、山南さんの部屋に行った。




沖田「こんな夜更けにどうしたんですか？」




山南「僕は、総司、梓の事を、弟や妹のように思っている。それは、わかってくれるかな？」




沖田先輩と私は顔を見合わせる。




沖田「勿論です！僕は、山南さんの事を兄上のように慕っております。」




梓「私もです！」




そう言うと、山南さんは、嬉しそうに微笑んだ。




山南「ありがとう。二人とも。だったら、梓に頼みがある。伊東さんと仲良くして欲しい。」




梓「え？」




すると、沖田先輩が、間髪入れずに、反論した。




沖田「それは、出来ません！どういう意味で、山南さんが、このような事を仰ってるかは、わかりませんが、梓は、先ほど、伊東さんに、襲われたんです！僕が、もう少し遅かったら、今頃・・・。」




山南「なんと・・・。そうか・・・。その件は、僕の方からも言っておく。でも、君は、未来から来た者として、伊東さんは、君の力を借りたいと思ってる。やり方は間違っているが、どうか、手を貸してあげて欲しい。」





そう言えば、伊東さんもそんな事、言ってたっけ・・・。




そう言うと、沖田先輩が、私を抱き寄せた。




沖田「山南さん。それは、無理です！梓は“こっち側”です。山南さんもお言葉に気をつけて下さい！」




そう言うと、沖田先輩は、私の手を掴み私を引きずるように出て行った。