沖田総司と運命の駄犬




僕は、少し不安を残して、見廻りに出ていた。




何だろう。何か、嫌な予感がする。




特に、何も無く、見廻りを済ませると、僕は、すぐに、土方さんの部屋に行った。



スパーーーン!




梓「っ!」




沖田「梓!いい子にして・・・なかったね・・・。」





目に飛び込んで来たのは、梓が、土方さんの肩に手を置いて、後ろから抱きしめて、口付けをしようとしていた。





僕の頭の中は、怒りで、真っ白になった。





僕は、梓の首根っこを掴み、引っ張った。




沖田「土方さん。後で、話があります。後で来ます。」





僕は、一言、土方さんに断ってから、部屋に戻った。





梓「ちょっ!ちょっと!沖田先輩!まだ、立ってない!しかも、首の襟引っ張らないで!苦しい!」




沖田「ふん!」




僕は、部屋に戻ると、梓を放り投げた。





梓「痛ったぁ・・・。」





ねぇ、梓?わかってないみたいだね?




僕の怒りが、伝わっているのか、僕が、一歩梓に近付くと、梓は、一歩下がる。



声を震わせながら、僕を見つめる梓。





梓「お、沖田先輩?お帰りなさい・・・。」




沖田「ただいま・・・。ねぇ。僕の見間違いじゃなかったら、土方さんと何しようとしてたの?」





梓「え・・・?何って・・・。」




沖田「僕が、来なかったら、何しようとしてたの?」




梓は、ゆっくり思い出しているようだ。




梓「あ・・・。」





今頃!?今頃、気付いてるの?





やっぱり、土方さんにお願いした僕が、バカだった。




沖田「今頃、気付いたの?あの人は、おなごを骨抜きに出来るんだから、気をつけなよ!」




梓「確かに、骨抜きになったかも・・・。」




何言ってんの?この駄犬は・・・。




君の恋仲は誰だよ。





梓はそんなに尻軽なの?





沖田「へぇ・・・。朝は、斎藤君と間違えて、昼は、土方さんに骨抜きにされて・・・。僕を、バカにしてるの?」




梓「バカになんてしてません!」




沖田「梓の気持ちがわからないよ・・・。」




梓「え?」




恋仲と思ってたのは、僕だけ?




僕を好いてるって言ったのは、どういう意味だったの?




僕は、梓の頬を撫でた。





梓「沖田先輩・・・。」




ギュッ。




ギュギュギュギュッーーーー!!!!




僕は、梓の両方の頬をつねり上げた。




梓「痛い!痛い!痛い!」




沖田「お仕置きだから痛いに決まってるでしょ!昨日のこともあったのに、なんで、梓は、そうなのかなぁ!ったく!」




梓「ごめんなさいぃぃぃ!」




沖田「許さない!」




梓「ギェッ~!」



しばらく、梓の頬をつねり上げて、僕の気を、少しだけ、晴らすと、僕は、梓を置いて、土方さんの所へ行った。

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