沖田総司と運命の駄犬




僕は、境内にいた子供と遊んで、梓を、置いて屯所に戻る。




ああやって、わらしと遊んでいるのを見ると、大きいわらしだ。




精神年齢は、あの子達と一緒だ。



楽しく遊んでいる梓を見て、口元が緩む。



僕は、梓に声をかけて、先に戻る。




沖田「土方さん。少し、良いですか?」




土方「あぁ。梓は?」



沖田「境内でわらしと遊んでいます。」




土方「そうか。で?何だ?」




沖田「梓の事です。いつまで、ここに置いておくのですか?」




土方「あいつが、無事に帰れるまでだ・・・。」




僕は、前から、疑問に、思ってたことを聞いた。




沖田「何故、あの子に、そんな優しいんですか?鬼の副長が、聞いて呆れます。」




土方「優しくはねぇ。でも、あいつは、嘘は言ってないだろう。」



沖田「は?土方さん、まさか、あの嘘のような話しを信じてるんですか?」




土方「全てを信じてる訳じゃねぇ。ただ、あいつは嘘をつけるような奴じゃねぇ。」




沖田「まぁ、確かに・・・。」



土方「引き続き頼む。」



沖田「明日は、私用があるので、梓のこと頼みたいんですが・・・。」




明日の非番は、お美代ちゃんとの逢瀬の約束だ。




お美代ちゃんとの大事な逢瀬に、犬を連れて行くわけにはいかない。




土方「あぁ。分かった。俺の側に置いておく。」




沖田「副長自ら!?」




土方「あぁ。」




何で、土方さんは、梓のことあんなに大事にするんだ?



おなごだから?



あのおなご好きな人からすれば、わかるけど、おなごに優しくしている土方さんなんて見たことない。




梓が、特別?




まぁ、人の色恋沙汰には興味ない。




僕は、土方さんの部屋を出た。
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