沖田総司と運命の駄犬
犬の散歩~沖田side~




しばらく経った頃。




梓は、占い屋を探したいと言い出した。




この駄犬は、一回、言い出すと、周りが止めろと言っても、聞かない頑固な所がある。




前も、迷子になって、怖い目に遭ったくせに、よくもまぁ、また人気のない所に行けるよね?





それだけ、バカなのか・・・。



それとも、帰りたいのか・・・。



きっと、両方か・・・。





まぁ、梓が、元の時代に帰れるということは、僕の子守も終わるわけで、厄介事が一つどころじゃないくらい減る。




でも、何だろ?




そわそわしてしまう胸の内は・・・。




ハッキリ言って、迷惑しか、かけられてないんだから、いなくなれば喜ぶべきなのに、占い屋が見つかったらどうしようなんてことを、思ってしまう自分がいた。








そして、梓は、朝から、最近、近藤先生と土方さんのお気に入りの山崎さんと共に、占い屋を探しに行った。





昼過ぎ・・・。





土方「おい、藤堂。悪いが、今、山崎が梓と占い屋を探しに行ってるんだが、代わってきてくれねぇか?」




藤堂「あぁ、今日は、山崎さんだったんですか?」




土方「あぁ。ちょっと別件で、山崎に頼みたいことが出来た。頼めるか?」




沖田「僕が、行きますよ?」





土方「は?」




藤堂「え?」




沖田「何ですか?」




藤堂「いや・・・。だって、沖田さん、こういうの一番に逃げてたから、ちょっと、意外で・・・。」





沖田「僕だって、するときはしますよ?」





藤堂「あぁ。梓のだからか~!」




沖田「ち、違いますよっ!山崎さんに帰れって言えば良いんでしょ?帰りに甘味でも、食べに行ってきます!」




土方「ぷっ。素直じゃねぇな。」




藤堂「本当に!くくくっ。じゃあ、お願いしますね?」




沖田「わかった。」





僕は、屯所を出た。




あーあ!梓のせいで、笑い者になっちゃった!




後で、たっぷりといじめよう。





僕は、今日、行くと、聞いていた、西の方に、足を向けた。




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