素顔のキスは残業後に【番外編】第2話完結
それまでとは違う包み込むような優しさを背中から感じて、トクンと震える鼓動。

それを加速させる囁きが耳朶に触れた。


「抱き心地は最高で、可愛い奴なんです」

不意打ちに届けられた言葉。息をするのを数秒忘れる。
少し照れたような声。多分、気のせいじゃない。

それを確かめたくて顔をそっと横に向けようとしたら、抱き締められた腕にぎゅっと力が込められる。

胸を過った予感をYESとするそんな仕草に胸がキュッと締めつけられるように、嬉しい悲鳴を上げる。

少し前の意地悪を一瞬で無しとする早業に、「やっぱりずるいよ、柏原さん」と心で愚痴ると、スマホ越しから楽しげな声が届いた。


「ははっ、べた惚れだなぁ。もしかして一目惚れか?」

冷やかすような部長に、今度はどんな言葉を返すんだろう?
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