素顔のキスは残業後に【番外編】第2話完結
するとスマホ越しの部長から、「また変な声がしたな」と不思議そうな声が漏れて、今度はどんな言い訳をするのかと思ったら。


「あぁ。うちの猫がまだ眠いみたいで、欠伸しただけです」

「おならとか欠伸とか、朝から忙しいネコちゃんだな」

シラッと答える柏原さんの言葉を1ミリも疑わない部長から「がははっ」なんて豪快な笑い声が漏れると、柏原さんもそれに合わせて笑っちゃってるし!


もう完全に柏原さんのおもちゃ――
いや、ペットだよね私。

心で愚痴りながら楽しげ笑うご主人様のいたずらに備え、声が漏れないよう唇を噛み締めて身構えると、

「えぇ。飼い始めたばかりでしつけ甲斐ありますよ。でも――」

耳元で囁く声がそこで途切れ、お腹をなぞり出す指先も合わせたようにピタリと動きを止める。

タチの悪いイタズラにもようやく飽きてくれたのかとホッと胸を撫で下ろした、次の瞬間。
逞しい両腕がふわっと私の体を抱き寄せる。
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