最初で最後の、恋だった。

★囚われた奴隷







☆☆☆



あたしは、泣きながら帰ってきた。

家には、叔母さん一家がいた。

お兄ちゃんの彼女はいない。

帰ったのかな?





「望愛。
アタシたち、これからココに住むな」

「え?」







それ以来、叔母さんたちは、あたしの家に住むようになった。

お兄ちゃんと2人きりで住んでいた、大きめの1軒屋。

叔母さんたちは住んでいた家を引き払い、引っ越してきた。






叔母さんたちはあたしを殴ることなどしないから。

叔父さんも、殴ることも蹴ることもない。




しかし。





「望愛。早くしなさい」

「早くしてくれないか?」




叔母さん叔父さんが、あたしをコキ使うのだ。

まるであたしは家政婦だ。



朝昼夜のご飯はあたしが作る。

不味かったら作り直し。

お風呂をいれるのもあたし。

掃除をするのもあたし。

叔父さんの肩叩きもあたし。



何もかも、あたし。








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