狂気の王と永遠の愛(接吻)をイメージ画集とつぶやきの場

センスイの決意Ⅱ

「すみません、お怪我はありませんか…？」


「…はい…っ大丈夫です…」


センスイの胸元に顔を埋めながらアオイは両手をまわして彼の背を抱きしめた。


「良かった…もう一つ聞かせてください」


「はい…」


センスイはアオイが頷いた事を確認すると、ゆっくり腕を緩め…


「…私を探しに来て下さったのだと自惚れてもよろしいですか？」


悲しそうに眉を下げながらも、期待に満ちたセンスイの瞳がアオイを真っ直ぐに見つめる。


「はい…そして見つけました」


柔らかく微笑んだアオイが狂おしいほどに愛おしく…どこかに連れ去ってしまいたい衝動を懸命に堪える。


「…戦いによる証明など何も生み出さないと…私はずっとそう思って生きて参りました」


「…先生…」


「だからこそ私は力を望んでいなかった…でも…」


「ある日を境にそれがただの理想だと気づいたんです」


「……」

(…先生を変える何かが起きてしまったんだわ…)


「…だから私は戦う力を欲した…彼女が頑なに拒絶した力を選んだんです」


「…そうですか…」


以前にも話していたセンスイが慕っていたという女性の影がアオイの胸を切なく締め付ける。





「そして…」






「…貴方を愛した証しが戦いによって得られるのなら…この命、いつ散っても惜しくはありません」