恋はしょうがない。〜職員室の新婚生活〜
どうにもならない寂しさと古庄への想い。その両方に佳音は苦しんでいる。
佳音の心の様子を測ると同時に、真琴は佳音という生徒を抱える古庄の苦悩にも気が付いた。
優しくして近づきすぎると、誤解する…。
かと言って、何もしないとこうやって問題を起こして困らせられる…。
佳音も古庄も、どちらも助けてあげたいと思うけれども、真琴にはどうしてあげたらいいのか分からなかった。
「…古庄先生が、このことを知ったらどう思うかな…?前にも知らない男の人の車に乗ろうとして、すごく叱られたこと、思い出して…」
それまでずっと黙っていた真琴が、ようやく口を開いた。
佳音が同じことを繰り返していると知って、古庄はどんなに自分を責めて心を痛めるだろうか。その気持ちを推し量ると、真琴はとても悲しくなった。
そして、真琴のこの言葉は、先ほど平沢から大声で怒鳴られたことよりも、佳音に効いた。
大きな目からポロポロと涙を流して、泣きはじめる。
この涙は、それだけ真剣に古庄のことを想っている証拠だった。
しばらくそんな佳音を見守った後で、不意に平沢が心配事を見つける。
「古庄先生といえば…。先ほど、古庄先生は戻って来てました?」