恋はしょうがない。〜職員室の新婚生活〜
「私が休みに入る前に、先生や生徒達にもきちんと事実を告白するつもりだけど…、それまではこのことは誰にも言わないでおいてね」
「…信頼してるからな」
佳音は、真琴と古庄から口々に事実を告げられて、最後には古庄から肩に手を置いて念を押された。
「……分りました」
と、佳音は頷いたが、もう既にクラスのみんなの前で、この秘密どころかキスをしていたことまでも暴露してしまっているとは、とても言い出せなかった。
それどころか、佳音はその神妙な表情の下で、思わず笑えてきてしまう。
その“秘密”なるものが、バレていないと思っているのはこの二人だけで、少なくとも古庄のクラスの生徒達で知らない者はいないことに、二人は全く気づいていない。
この二人から醸し出されるおっとりした雰囲気と、人を疑わない純粋さに、佳音は微笑ましささえ感じた。
「それじゃ、森園を送ってくるよ」
古庄が真琴へ、そう言葉をかける。
いつも、古庄が佳音に関わる時には、真琴は言いようのない不安な表情を見せていたが、今日は穏やかな表情で頷いた。
こうやって佳音と話が出来たことで、真琴の中の彼女に対するわだかまりも消え去っていったみたいだ。
そんな真琴に古庄がそっと近づき、耳打ちして何か話している。