恋はしょうがない。〜職員室の新婚生活〜




 光の方を向いて、刻まれている文字を確かめる――。



My dearest Makoto from K



それを読んだ瞬間、真琴の中の負の感情も、体の重さも、全てがなくなった。

古庄の大らかで深い愛情に包まれていることが、嬉しくて…心にしみて…、体が震えた。



指輪を両手で握って胸元に当て、真琴も、自分の全てが古庄に恋をし、どうしようもなく好きなんだと再確認する。


どんなに古庄に愛されていても、真琴の中のこの想いはあまりにも切なくて、涙がはらはらと零れ落ちた。



古庄の枕元に真琴は座り込んで、愛しい人の安やかな寝顔を眺めた。
古庄の規則的な呼吸とは対照的に、真琴の胸の鼓動は痛みを伴って、切なく速まってくる。



誰もが、一瞬で心を奪われてしまうような人……。


そもそも、この世のものとは思えないほどの古庄は、真琴にとって別世界の人間だった。
たとえどんなに想いを焦がしても、真琴は他の多くの女性と同様に、遠くから憧れの目で見つめているだけの存在だったはずだ。




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