キスをお先に、頂きました
「だから、これ受け取らないの?」
「……」
遥葵の手が私の手を支えた。
「……元はといえば俺が、今日までためらってたのが悪い。
朱加が気にすることはない」
「…っ」
不意に、遥葵の唇が、私の頬に落ちた。
その瞬間、顔面に一気に熱が集まる。
「ご、ごめん……つい」
遥葵は自分でやった行為に顔を伏せた。
やっぱり10年ずっと見ていた遥葵は遥葵で――
私はそんな遥葵がとても可愛いと感じる。