【短編】大好きなメガネくん
「ごめん」

口ではそう言ったものの
内心、めがねを拭く彼女に
見入っている。


「私のこと、どうでもいいの?」
彼女は悲しそうな声で聞く。

「どうでもいいわけないよ」
そして、彼女はめがねをかける。

「一番に思ってるよ。当たり前じゃないか」
「・・・うん」

彼女がうつむく。


めがねの縁と瞳が重なって、
ちょっとだけ表情がわからない。


微笑んでいるのか
悲しんでいるのか。

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