カルネージ!【完】




珍しく阿久津の足元でぐちゃぐちゃになっている毛布を引っ張り上げ、彼の体に被せてあげた。


普段強気な青年も、その様子を具合悪そうに黙って眺めている。


目はトロンとして虚ろだし、マスク越しに伝わる息遣いはさっきより荒い。


……結構な重症だろう、これは……!




「海斗さんに熱あること言った?」


「……言うわけないじゃん。大騒ぎするに決まってるし」


「駄目じゃん! わ、私言ってくるから、ちょっと待ってて!」




慌ててその場を去ろうとするも、右手首を掴まれ呆気なく動きは止められた。


だけど思うように力が入らないのか、私でも簡単に振り払えそうな強さだ。




「……もしあいつに言ったら、……辻野にちゅーするから」


「……えっ!?」


「しかもすごいヤツ」




予想外の言葉にうろたえて、完璧に動作を停止する。



……いやいや。いやいやいやいや。


熱の影響が、変なところにも出ちゃってるから……!



私の右手首を掴む阿久津の手が熱いせいか、そこからどんどん体温が上がっていく気がした。



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