そっと、もっと、ぎゅっと~私に限り無い愛を~
「・・・だからもう、矢沢さんを困らせる事はしません」

「・・・ごめんなさい」


「何で謝るんですか?今、矢沢さんは幸せでしょう?」

その言葉に、静かに頷いて見せた。


「貴女が幸せなら、私も幸せです」

そう言って微笑む誠を、凄いなと思った。


・・・瞬く擦るのも忘れて誠を見ていたせいか。

やっと瞬きをした時、コンタクトが落ちてしまった。


「コンタクト」

「・・・え?!落としたんですか?」

慌ててしゃがみ込んで探し始めた私を見て、誠も一緒に探してくれた。


「「・・・あった」」


そう言って二人の手は同じ場所に。

手の上に手を置いた状態になり、一瞬固まる。


そこに、タイミング悪く、修が入ってきた。


「・・・何、やってるんですか?」

無表情に問いかける修に、誠は説明する。

・・・修は、いつものような顔で、頷いて見せた。

…良かった、分かってくれた。

安堵して、誠はオフィスを出た・・・

私は手に持っているコンタクトを着ける為に行こうとした。


「また部長に、言い寄られた?」

「・・・え?」

掴まれた反動で、また落としてしまったのに、気が付かづ、

目線は修に向けていた。

…半分ぼやけた修の顔。

でも、怒ったような、悲しそうな、そんな顔をしているのは分かった。
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