偽装シンデレラ~続きはオフィスの外で~
少し奥まった無料駐車場に車を停めて、後は徒歩で辺りの店を散策する。

「ほら」

「なんですか?」

稜真さんは私に左手を差し出す。

「この仕草で判らないか?お前は鈍感だな。奈那子」

稜真さんはクスクス笑いながら、私の右手を掴んだ。

「迷子になったら日本に帰れないだろ?」

「私、少し位なら英語話せますから…」

私は稜真さんに手を握られ、照れ臭くてつい向きに返してしまった。

「なら、実験しようか?」

「実験って何ですか??」

「お前をワザと迷子にしてやろう」

「本当に稜真さんって意地悪ですね…」

「冗談だよ。お前は冗談も通じねぇのか?頭固いな」

稜真さんは空いた手で私の髪をクシャクシャする。

「ヘアが乱れます!」



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