偽装シンデレラ~続きはオフィスの外で~
「でも、相馬先生が産業医ってもったいない気がします」

「言っとくけど…俺は心臓外科医だけど…腕は大したコトないさ。防衛医科大卒の医師は技術的に劣るんだよ」

「そんなコトないと思います!」

相馬先生は弥英子の主治医。

「本当は医官としてずっと自衛隊にいたかった。なのに…祖父がそれを許さなかった」

相馬先生の祖父はわが社の相馬社長の父親・相馬祐早斗(ソウマユウサト)様。

『ソーマ』の会長を務め、厚生大臣を務めた有名人。


「俺は相馬家本家の後継者。それだけで自由がきかない。つまらないよ。全く」

相馬先生は白衣を着こみ、私を見つめる。


「稜真とは上手くやってるの?」

「あ…はい。昨日から一緒に住んでいます」

「二人の結婚って偽装なんだろ?」

「相馬…先生!!?」

「君が酔いつぶれたあの夜…俺にそう話してくれた」





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