偽装シンデレラ～続きはオフィスの外で～

「奈那子の婚約者の濱部稜真です」

「濱部！！？」

璃々子も真一も苗字だけで驚愕した。

「もしかして父親はあの『星凛堂』濱部辰真(ﾊﾏﾍﾞﾀﾂﾏ）社長ですか？」

「はい、父を御存知ですか…」

「おい、奈那子結婚するのか？」

黙っていた真一が私に問いかけて来た。

「え、あ・・・まぁ」

私は濱部部長と視線を合わせる。

「意外だな。クールな顔して俺と二股掛けていたとは」

「へぇーお前が菜々子の元カレ？そう言うお前だって…二股掛けていたんだろ？お互い様だな」

「濱部部長？」

「ふん、奈那子は俺が幸せにするから安心しろっ。奈那子、行こうか？」

「はい」


真一と璃々子はその場に縫い止めたられたかのように暫く動かなかった。