ダーリンは財閥

母親の存在

次の朝

「今日は誕生日パーティーだけど飲みすぎるなよ。
痛みは大丈夫」

と拓哉からメールが入ってた。

「大丈夫!
もう痛くないよ!」

とメールを返した。

誕生日パーティーにはお母さんも来ると話を聞いた。

皆が恐れる会長の奥さまだ。

「今から渡したいもんあるから着いたらメールするな」

私は拓哉の車を待っていた。

拓哉は車を止めるなりトランクを開けて

「パーティー用のドレスと小物」
私は固まってしまった。

「これ着て今日は愛と踊りたい」
「え〜私ダンス何て出来ないよ」
「大丈夫。
俺がリードするから
これは会場迄のタクシー代」

「拓哉ぁ」

私は拓哉は財閥だと思い知らされた。

「じゃ後でな」

と頭を撫でて軽くキスして拓哉は帰って行った。

私は家に帰り箱を開けた。

『愛へ
『側にいていつも笑顔、元気、癒し嫌俺に光くれて有り難う。
このドレスは日頃の俺からの感謝ネックレスは絶対愛に似合うと思ってオーダーメイドだ(笑)
ドレスと合うからつけてきて(笑)パーティーで会おう。
愛愛してる
拓哉

私はネックレスを見ながら呆然としてしまった。

私はドレスを持ち拓哉の指定した美容室に向かった。

「すみません。
愛と言いますが」

「お待ちしてました。
代表から伺ってます。
こちらへ」

と個室へ通された。

椅子に座ると

「リラックスよ愛ちゃん。
代表から緊張する子だから宜しく言われたの気楽にしてて
凄く素敵に変身させてあげるから。」

「お願いします」

と私は鏡の変身していく自分に見とれていた。

《本当にこれが私!》

と思う位鏡の中の私は別人だった
ドレスを着て鏡の中の自分を見る
「本当お姫様見たいよ愛ちゃん」
私は呆然とするだけだった。

「タクシー来たわよ
代表に宜しくね」

「はい!
色々有り難うございましたっ」

と頭を下げてタクシーに乗り会場へ向かった。

受付をすませ会場に入ると凄い人に立ち尽くしてしまった。

「ちょっと愛!」

同僚が驚いた目で私を見てた。

「凄い人だね」

と同僚と話していた。

その時!

「皆さん長らくお待たせ致しました。
K.Iグループ代表藤堂拓哉さんです」

拓哉と一緒にお母さんも入って来た。

「この度は息子の誕生日にお集まりいただき感謝いたします」

拍手が巻き起こった。

《さすがK.Iグループ規模が誕生日でも凄すぎる》

と心の中で思ってた。

乾杯の音頭を取ったのは拓哉のお父さんだった。

私は同僚と食事をしながら色んな話をしていた。

「愛」

呼ばれて振り向くと拓哉が立っていた。

「拓哉!」

「会場の中で一番綺麗だ」

と言われて私は真っ赤になった。
音楽が流れ

「愛踊るぞ」

私は拓哉に引っ張られ拓哉にリードされながらダンスを踊った。

会場からは拍手が巻き起こった。
「お父さん
お母さん
紹介します。
愛さんです。」

「愛です。
拓哉さんの部署でデザイン担当してます。」

「初めまして
拓哉の母の藤堂椿です。
お会い出来て嬉しいです」
と握手した。

素敵な笑顔が印象的だった。

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