きっと、君を離さない




冬休みというのは、どうしてこうもあっという間に過ぎてしまうんだろう。
今年の年越しは、初めてのことだらけだった。




あのクリスマスの日から始まり、年越しを誰かと過ごすという体験を初めてした。



そして、初詣に行き、初めておみくじを引いた。
結果は私も悠斗も、そして草太も大吉。
この時期はいつもより大吉が多く入っているのだと悠斗が教えてくれた。


私のおみくじに書かれていたのは・・・。

待人 既に来ている
失物 信じれば見つかる
恋愛 愛情を信じなさい




それが、なにを意味するのか。
私は、またそれを見ないふりをする。





そして、もう一つ。
私は、気になっていたことを草太に問い詰めたのだ。




「彼女、できたって」

「・・・誰に?」

「草ちゃん」




最近草ちゃんと呼ぶようになり、距離が少し近づいたからでもある。
今なら聞いても答えてくれるんじゃないかと・・・。


「彼女なんて、いないよ」

「え?でも・・・」

「いたら年越しをお前らと過ごしてねぇよ」




そう言われて納得してしまった。
悠斗の誘いにはいつもきまって草太もやってくる。
彼女がいたらそんなにいつでも来れるわけない。



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