きっと、君を離さない



春香は、どんなものを抱えてたんだ。




俺は、なにも気づけなかった。






一度、春香の裸を見る機会だってあったのに。
その時に気づいてあげられてたら何か変わってた?






「大石さん、大丈夫ですか?」

「おい、大石」






俺は、無力だ。
こんなにも無力。




春香を助けたいと。
側にいたいと願えば願うほど遠くなっていくんだ。





手を掴んだと思ってみると、そこに春香はいないんだ。






一体、俺になにができるんだろう。








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