きっと、君を離さない


「寂しいんだよね、だから、強がってるんだ」

「違う・・・」

「本当は、誰かにわかってもらいたいんだ」

「違う・・・私は一人でも生きていける・・・」



そう決めたんだ。
大好きな彼がいなくなってしまったあの日に。






「人は、一人じゃ生きていけないよ」




悠斗は言う。
大好きな彼と同じ言葉を。



思い出すの。
きっと人生で一番幸せだったあの日々を。
私が普通の女の子でいられたあの瞬間を。





溢れた思いは涙として流れて。
止まることなく流れては頬を濡らす。





どうしてだろう。
こんなにも、こんなにも、



会って間もない、こんな人に心をさらけ出してしまうなんて。
涙を素直に流してしまうなんて。






どうかしてる。





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