※クールな彼の笑顔にご注意下さい
夕暮れ
空がもう赤から黒へと染まろうとし始めていた
カラスの鳴き声が響くほど静かな住宅街に私と2人っきりになる流輝
恭子先輩を目で送ったあと、此方にまた振り向いた流輝は
少し目がうるんでいるように見えて
でもさっきと変わらない
優しすぎるほど哀しげな瞳
「りゅぅき・・・」
「おまえ、泣き過ぎ」
「だ、だってぇ」
態度も優しい流輝にまた涙が零れた
「もっと可愛く泣けよな、ぶっさいく」
そう言って指で涙をすくおうとする流輝
でもそれよりも
私の出る涙の方が多くて全く意味をなしてなかった
「りゅーきっごめッんっ」
泣き過ぎで上手く喋れなくなってきた
それでも止まらない涙は
どうしたらいいの・・・?
「何が・・・?」
「あたッあたしがっ」
あたしがっ
流輝のことずっと
「傷つけてたッ」
「そんなことないぜ?結構楽しかった。お前と出会ってから」
メチャクチャなあたしに微笑む流輝