虹色の騎士団
「………。」

舞乙女の力を強めていかなきゃいけない事も、

ヒナタみたいに
普段から歌の練習しとかなきゃいけないってのも分かるけど…

まさか、ここまで来て『歌え』って言われるとは…。

てっきり心を鍛えるって…、何かもっと特別な事をするんだって思い込んでた部分もあったし。

いや…、予想は出来た筈なのに、考えないようにしていたのかもしれない…。

矛盾した複雑な気持ちを自覚して、思わず黙り込んでしまう。

「…キミの気持ちは、勿論皆、分かっている…。

表面的に回復していても、あんな事があれば
誰だって怖くなる。

…それは、当然の事だよ。」

黙って俯いているオレの手を握り、真宵が ゆっくりと話しかけて来る。

「分かっていながら、それでも強制しなければいけない。

…人と言うのは時に酷く残酷だ…。」

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