虹色の騎士団
彼方が唇を離すとそこには薔薇の花弁が一枚落ちたかのように、
真っ赤な『跡』がついてしまっている。

「彼方……!止めて下さい!!!どうしてこんな……。」

「お前は私の所有物だ。

…それがはっきり理解出来るように、もっと目立つ所に付けてやろうか…?」

首筋に顔を近付けられて、必死で抵抗し…

とうとう香澄は涙を流し始める…。

その涙を見た時、彼方はギクリ…と身を固くした。

「こんなの…酷いです………。」

「香澄……。」

彼方は香澄の涙に唇を付け、
掴んでいた手首を解放する。

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