続犯罪彼女
「千葉さん!」
オートロックを解除してもらい、マンションの最上階に行く。
そこにいた千葉さんは口角を上げながら私を見た。
「どうしたの、そんなに急いで」
「羽柴くんが退院しました。
私、彼をチームに入れようと思ったんです。断られたんですけど。
その時彼、全部話してくれた」
「へぇ。何を」
私は千葉さんを睨みつける。こんなどす黒い感情を抱いたのは初めてだ。
「全部ですよ、全部。
二人が復讐倶楽部を創ったことも復讐倶楽部改のメンバーが二人を襲ったことも!」
私は千葉さんに従ってここまで来た。
指示通り動き、指示通り動かした。
全ては二人を救うため。日常を取り戻すため。
……なのにこんなの、あんまりだ。
私は二人の敵を創り上げていただけなのだから。
「なーんだ、ばれたんだ」
千葉さんは愉しそうに笑った。