プロポーズ
余命3ヶ月。
乳がん。
手の施しようがない。
あと3ヶ月。
あと3ヶ月で、朝海は死ぬのか?
自分の頬を思い切りちぎってみた。
痛い。痛かった。

これは現実なんだ。
朝海・・・僕はどうしたらいい?
あの、優しい朝海が一緒に死んでくれなんて。
朝海、朝海、朝海。
死ぬのはいやだよ。
また朝海の笑顔が見たい。

僕らのひと目もはばからず泣きながら家に帰った。
帰る途中雨が降ってきて、まるで、朝海の涙みたいだった。
冷たい冷たい雨が僕を責めた。
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