プロポーズ
そんな生活が続いた頃、朝海は治療を辞めたいと言い出した。

担当の先生は家族で決めてくださいと言う感じだった。
要するに、もう治療しても効果はない、本人の体力が落ちるというだけだけだ。
それなら、最後の時間を楽に過ごす(痛み止めなどで)ということらしい。

朝海は全部分かってたのだと思う。
自分が今どんな状態なのか、後どれくらい生きられるのかを。

朝海の家族は本人の意思を優先し、治療をしないことにした。
僕もその意見には賛成だった。
もう、苦しむ朝美は見たくなかった。
これは、僕のエゴだろうか。
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