プロポーズ
僕は迷いなく車から降り、海へと向かった。
朝海、いまから行くからね。
あっちに行ったらずっと一緒だ。
朝海も元気で、ふたりでまた笑って生きよう。
だって、朝海のいない世界は僕には考えられない。
色のない真っ暗な世界だ。
僕は空を見上げた。
星がたくさんキラキラ輝いていた。
どれが朝海なんだろう。
どうして、朝海だったんだろう。
どうして、朝海は死ななければならなかったんだろう。
どうして、どうして。
考えても仕方がない。
もう、朝海はいないのだから。
僕は一歩一歩、海へと入っていった。
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