プロポーズ
ただ、ひとつ心残りなことは両親のことだ。
親より先に逝ってしまうなんて、親不孝だろう。
けれど、僕は朝海と約束した。
朝海が寂しくないように、僕は行かなきゃいけない。
朝海は淋しがり屋だから、泣いてるだろう。
ごめんね、父さん、母さん。
こんな息子を許してください。

車を走らせているうちに、朝海の働いていた図書館から車で10分位のところにある海に着いた。
ここは、夏になったら一緒に来ようねと約束していた場所だ。
僕はそこに車を止めた。
もう、シーズンも終わっているし時間も時間だったから、もう真っ暗で僕以外車はいなかった。
よかった、と僕は思った。
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