Sweet Lover
このまま、ずっと、眠って居られたら良かったのに。

寝起きに、あんな夢なんて見なければ良かったのに。

……朝なんて、来なければ良かったのに。

「マーサ?」

瞳を開けた途端、私を見て心配そうな顔をした響哉さんに、私は曖昧に微笑むことしか出来なかった。


響哉さんを心配にさせるほど、不安そうな表情をしているのね、私。

「怖い夢を見ただけ。
 大丈夫よ。
 おはよう、響哉さん」

口角を引き上げ、無理矢理微笑んで、響哉さんの頬にキスをした。
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