Sweet Lover
響哉さん、急にどうしちゃったんだろう――。

私は周らない頭でぼうと考えていた。

――私が、ママと同じことを、言ったから?

――ママのことを、思い出したから?


響哉さんはきっと、何度だって『違う』としか言わないと思うけど。

――でも。

私は手元のDVDを、眺めていた。


響哉さんは玄関でピザを受け取って、美味しそうな匂いとともにリビングに戻ってきた。

ピザをテーブルに置いて、ぼうとしている私の隣に座る。

「食事が終わったら、一緒にそれ見ようか?」

私が持っているDVDに目を落として、ことさら柔らかい声で響哉さんがそう言った。
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