Sweet Lover
『そんな横暴な男と暮らして大丈夫?』――佐伯先生の言葉が、不意に甦る。

「ぶっつけ本番ってこと?」

「そうだよ。
 あ、ルート66を思いっきりぶっとばしたことはあるけど。
 にしても、日本の道路って本当、狭いね」

さらりとそう言うと、呆気にとられて何も言えなくなっている私の手を引いて、エレベータから降りる。

「響哉さんって――ジコチュー?」

眉を潜める私に、響哉さんは何でもない顔できっぱり言い切った。

「俺からそれ取ったら、何が残るっていうの?」

――ええっと。
  仮にも30代半ばの良い大人がそんな態度で良いのでしょうか?
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