Sweet Lover
「大丈夫だって、そんなに警戒しなくても。
 こう見えても俺、キスも出来ない子を、いきなり抱いたりしないよ?」

くすくす笑いながら、ベッドの上に上がってくる。
私は身体を起こして、逃げようとするんだけれど、響哉さんの方がわずかに早く私の腕を捕まえた。

紅い唇を耳に寄せてくる。

「いい子にしていたら、大人しく眠らせてあげるけど、どうしても逃げ出すっていうなら、動けないくらい気持ちよくしてあげる。
どっちでもいいよ?
マーサの好きなほう、選んで?」

うっとりするようなシックな声で、とんでもないことを囁いてくる。

「何、そのとんでもない二択はっ。
だいたい、良い年して子供いじめて、大人気ないって思わないんですか?……思わないの?」

うっかり敬語を使ってしまって、慌てて言葉を改める。
< 90 / 746 >

この作品をシェア

pagetop