Sweet Lover
「……うわぁああっ」

自分の身体が丁寧にふわっとしたどこかに置かれた瞬間。目が覚めた。

そこが自分のベッドではないと気づいた途端に、考えるより前に声をあげていた。

「マーサ。
 人の耳の傍で大声を出してはいけません」

騒いでいる私の上に勝手に掛け布団をかけてから、響哉さんがそう言った。

「だだだだって、ここ。
 私の部屋じゃないっ」

「それは、あれだな。
 ライトの在庫を置いてないあの家具屋が悪い」

可愛そうに、なんて私の頭を撫でてらっしゃいますが。

……それは違うと思いますっ!
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