夏に咲く桜 海に広がる静空
海に広がる静空
高校三年生。



といっても、明日でその肩書も終わってしまう。

自分の夢がはっきりと分からないまま始まった高校生活も、この三年間で余計に分からなくなってしまった。



充実していなかったかと問われれば、そうでもなくはない。

世間的にいう青春というものは十分に謳歌したし、掛け替えのない友人もたくさんできた。

だけど、根本的なものを埋めることは、どれだけ充実した日々を過ごしても埋めることはできなかった。



もし、日本中の高校生が今の俺のような考え方を始めたら、大抵はパズルの残り一ピースのような埋められないスペースが存在するだろう。

埋められない存在に気付いていない者だって、そのなかにはきっといるはずだ。
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