砂の鎖
ふと目を開ければ、まだほのかに明るかった筈の外は真っ暗になっていた。
壁掛け時計に目を向ければ八時を過ぎたところ。
いつの間にか寝入ってしまっていたらしい。
制服のまま寝てしまったから、絶対スカートが皺になっている筈だ。
アイロンをかけないと……
「……寝るなんて思ってなかったな……」
ぼんやりと口にしてみてから、ガバっと起きあがった。
それから、じっと耳を澄ましてみるけれど、人の気配はない。
拓真はまだ帰ってきていないようだ。
私は慌てて玄関先までいき郵便ポストを開いた。
中には、何も入っていない。
「良かった……」
独り言ちてから、私はすぐに家の中に戻り門灯をつけてからもう一度今に戻る。
放り出してあったカバンを持って自分の部屋に戻り、ジャージに着替えてから、スクールバッグの底から封筒を取り出した。
朝、郵便受けから取り出した真白な封筒。
宛名は相変わらず、綺麗な文字だ。
そこには私の名前が書かれているけれど、余りに几帳面な文字で書かれると慣れ親しんでいる筈の自分の名前が何故か妙によそよそしく感じられた。
少し、それを眺めてから、私は封もあけずに文房具が入った一番上の引き出しの奥にそれをしまい込んだ。
そこには、同じ封筒が何通もある。
それに、責められている様な気がして……
目を逸らすように引き出しを閉めた。
壁掛け時計に目を向ければ八時を過ぎたところ。
いつの間にか寝入ってしまっていたらしい。
制服のまま寝てしまったから、絶対スカートが皺になっている筈だ。
アイロンをかけないと……
「……寝るなんて思ってなかったな……」
ぼんやりと口にしてみてから、ガバっと起きあがった。
それから、じっと耳を澄ましてみるけれど、人の気配はない。
拓真はまだ帰ってきていないようだ。
私は慌てて玄関先までいき郵便ポストを開いた。
中には、何も入っていない。
「良かった……」
独り言ちてから、私はすぐに家の中に戻り門灯をつけてからもう一度今に戻る。
放り出してあったカバンを持って自分の部屋に戻り、ジャージに着替えてから、スクールバッグの底から封筒を取り出した。
朝、郵便受けから取り出した真白な封筒。
宛名は相変わらず、綺麗な文字だ。
そこには私の名前が書かれているけれど、余りに几帳面な文字で書かれると慣れ親しんでいる筈の自分の名前が何故か妙によそよそしく感じられた。
少し、それを眺めてから、私は封もあけずに文房具が入った一番上の引き出しの奥にそれをしまい込んだ。
そこには、同じ封筒が何通もある。
それに、責められている様な気がして……
目を逸らすように引き出しを閉めた。