LOVE SICK
プライベートが上手くいっていない時ほど業績が上がる。
私はいつもそうだった。

こんな問題を起こしても、私の今月の業績は多分過去最高だ。
来月初には朝礼で、支店長である斎木さんからお褒めの言葉を頂く事になるだろう。

けれどそんな時の仕事は質が伴わない。
世の中、本当によく出来ている。

結局は、私は私。
私の能力なんてたかがしれていて。


でもそれなら、どうした良かったんだろう。

何が悪いんだろう。

何が、いけなかったんだろう……

考えてみても分からなくて……


どんなに自分が悪かったと思おうとしても、私は石野さんの考え方が許せない。
彼女が庇われる意味が分からない。



努力、してきたつもりだった。
必死で頑張って来たきたつもりだった。

少し前迄は夢中になっていた、斎木さんの為もあったのかもしれない。

彼に裏切られて、傷つけられて。
それでも変わらずに頑張ってきたつもりなのに……

目の前の事を努力すれば、いつか幸せになれるんだと思っていた。


業績を上げればいつかは認められる。扱いにくいスタッフも思う通りに動いてくれる。
彼に不満に思われないよう立ち振る舞えば、いつか私だけを想ってくれる。

そんな風に、私はずっと思っていた。


その気持ち自体が私には間違ってるんだろうか。

認められたいとか、愛されたいとか……
そう願ったこと自体が間違っているんだろうか。

……私には、過ぎた願いなんだろうか。


仕事と私情を同じ様に考えること自体どうかしてる。
石野さんとのトラブルで、斎木さんとの過去を悔やむなんておかしいのは分かっている。

こんな事にどうしてこんなにもやりきれない気持ちになるのかすらも分からない。



分からないままに、誰もいなくなったオフィスで私はただ突っ立っていた……
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