LOVE SICK
***


「どうしたんだ? るう……」

「……」



どうやって私はここに来たんだろう。
気が付いたら、ここにいた。

深夜に他人の家に押し掛けるなんてあり得ない。
斎木さんと付き合っていた頃にそんな事をした事は一度だって無かった。

それなのに私は、祐さんのマンションの部屋の前にいた。


「るう?」


目の前の、少し眠た気だったダークブラウンの瞳は私を認めると酷く驚いた様に見開かれた。

その瞳に見つめられると無性に泣きたくなった。

とても自分が、惨めで情けないものだと思った。


「祐さん。お願い……めちゃくちゃにしてよ……」

「……」


この人は、頼っていい人ではない筈なのに……
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