LOVE SICK
やけに冷静に彼の瞳を見つめた。
こんな言葉に浮かれていたんだ。私は……

自分を省みて私は手放したあの人と、子供の様に離れて行く私に執着するこの人は、どちらが私を愛してくれていたんだろう。

どちらが私を想ってくれていたんだろう……


そんなのは、簡単に分かる。


私は、守られていたんだ。

心を。

とても、大切にされていたんだ。


「……斎木さん。奥さんとお子さんを、不幸にしちゃダメですよ」

「るう?」


それに気が付いた時、自然に笑顔が漏れた。


「……幸せに、なって下さい」


自然に、言葉が零れた。


それは初めて言えた、言葉。


それは、今迄嘘でも言えなかった、言葉……

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